★ さとりずむ ★

Amazonプライム・ビデオを中心とした映画レビューブログ。そのほかにも音楽や書籍、育児ネタなどの雑記もあるよ!

映画『ジュラシック・パーク』徹底レビュー!
映画『ミッション:インポッシブル』徹底レビュー!
映画『ミッション:インポッシブル3』徹底レビュー!
映画『オールユーニードイズキル』レビュー!
アニメ『ゆるキャン△』レビュー!

映画『インビクタス』:本当の強さとは、相手を「許せること」。

f:id:satorism:20180630234234j:plain
おっす!さとる(@satorism0321)でっす!

ぼくね、高校3年間ラグビーやってたんすよ。

めちゃくちゃ弱小チームだったけど(笑)
全国大会の地方予選1~2回戦でいつも負けてたし、部員数が足らなくて他の部から借りたこともあったなぁ。

でも充実した3年間だった!

ラグビーは「走る格闘技」なんて形容されるくらい攻撃的なスポーツで、肉体的にはめちゃくちゃキツいんだけど、プレイしていてめちゃくちゃ燃えるんだよね。

そんなラグビーの特徴のひとつが、「フェアプレー精神」。
試合終了のことを「ノーサイド」って言うんだけど、これは試合が終わったら「敵・味方の側(side)なんかなくなるんだよ」、という意味。

つまり、
             /)
           ///)
          /,.=゙''"/
   /     i f ,.r='"-‐'つ____   こまけぇこたぁいいんだよ!!
  /      /   _,.-‐'~/⌒  ⌒\
    /   ,i   ,二ニ⊃( ●). (●)\
   /    ノ    il゙フ::::::⌒(__人__)⌒::::: \
      ,イ「ト、  ,!,!|     |r┬-|     |
     / iトヾヽ_/ィ"\      `ー'´     /

ということ!

(スマホだとAA崩れるかも)

試合前は張り合っていても、終わったらみんなナカーマ!な精神。
だから、ぼくはラグビーが大好きなのである。
2019年は日本でワールドカップが行われるので、ぜひぜひ皆さんにも見てもらいたいと思う!

そんなラグビーを通して、人種の壁を「ノーサイド」にした物語が今回のお話。

 ひとつの願いが世界を変えた

f:id:satorism:20180701000519j:plain
『インビクタス 負けざる者たち』(原題:"Invictus"):2009年アメリカ
オススメ度:★★★★★

クリント・イーストウッド監督作品。
これは本当に、何度観ても魂が震える映画!!ぼくの大好きな1本。

1994年、南アフリカ共和国。
実話に基づくこの映画は、反体制派として、27年間投獄されていたネルソン・マンデラが大統領に就任するところから始まる。

黒人からは歓迎される一方、白人からは非難され、国を分裂させかねないような混乱を引き起こしていた。
当時の南アフリカは「アパルトヘイト」、つまり黒人と白人を分ける人種隔離政策が平然と行われており、裕福な白人と貧しい黒人との間で、大きな亀裂があった時代。

初の黒人大統領となったマンデラは、「憎しみではなく、寛容の心を持って」黒人と白人との融和を訴え、95年に自国開催となる予定だったラグビーワールドカップを利用し、国を1つにしようと考える。

キャスト紹介

ネルソン・マンデラ / モーガン・フリーマン

f:id:satorism:20180701003143j:plain
反体制活動を行っていたため、白人によって27年間投獄されるが、その後南アフリカ初の黒人大統領となる。
人種隔離政策「アパルトヘイト」撤廃へ向け、白人と黒人の融和を図ろうとする。

強いリーダーシップとカリスマ性を持ち合わせ、スポーツが人々の心を動かす力を持っていることを信じて行動を起こす。

 

フランソワ・ピナール / マット・デイモン

f:id:satorism:20180701003658j:plain
ラグビー南アフリカ代表「スプリングボクス」のキャプテン。
マンデラ大統領から、国をひとつにするため「ワールドカップ優勝」の願いを託される。

ポジションはフランカー(フォワード)。
オフェンス時の当たりの強さ、ディフェンス時のタックルの強さ、そして俊敏さが求められる。

ちなみに現役時代のぼくと同じポジション。
これがこの映画が大好きな理由の1つであったりする(^ω^ )

アパルトヘイトを越えて

ラグビーは裕福な白人のスポーツ

f:id:satorism:20180701104009j:plain
当時の南アフリカでは、裕福な白人はラグビーを楽しみ、貧しい黒人はサッカーを楽しんでいたようだ。
それを現すように、映画冒頭でも道路を挟んで白人と黒人がそれぞれのスポーツに興じているシーンがある。

ラグビーの国際試合ともなれば、白人は自国を、黒人は相手国(敵側)を応援するといった有様で、いかに黒人たちが「裕福な白人社会を憎んでいたか」が理解できる。
白人が興じていたスポーツともなれば、彼らにとっては憎悪の対象でしかなかったのだ。

憎しみ合う2つの人種を1つにまとめようという、マンデラの願いがいかに困難なものであったかがわかる。

国を分け隔てるもの

f:id:satorism:20180701102725j:plain
マンデラ大統領とピナールを中心に物語は進んでいくが、マンデラ大統領の警護に当たっているボディガードたちも見所のひとつ。

黒人のボディガードからは「白人なんていらない」と言われるが、マンデラは「君たちは国を象徴するから」という理由でこれを拒否、白人との混成チームを押し進める。

これはアパルトヘイト下の南アフリカという国がどういうものであったか端的に示されているところであり、彼らの心の動き=国の動きとして観客にも分かりやすい演出となっている。

最初はいがみあっていた彼らも、終盤に近づくに連れて仲良くなっていく様は、観ていて本当にほっこりさせられる。
お互いの違いを理解し、許容することで、人種の壁という問題すら超えていけるのだ。

投獄中のマンデラを支えた詩

f:id:satorism:20180701005908j:plain
27年という期間を、獄中で過ごしたネルソン・マンデラ。

彼の心を支えた詩が劇中でも何度か登場する。
それが映画のタイトルにもなっている、『インビクタス』だ。

私を覆う漆黒の夜

鉄格子にひそむ奈落の闇

私はあらゆる神に感謝する

我が魂が征服されぬことを

無惨な状況においてさえ

私はひるみも叫びもしなかった

運命に打ちのめされ

血を流しても

決して屈服はしない

激しい怒りと涙の彼方に

恐ろしい死が浮かび上がる

だが、長きにわたる脅しを受けてなお

私は何ひとつ恐れはしない

門がいかに狭かろうと

いかなる罰に苦しめられようと

私が我が運命の支配者

私が我が魂の指揮官なのだ

イギリスの詩人、ウィリアム・アーネスト・ヘンリーによる詩の一節。

病気によって10代の若さで片足を切断することになった、自分自身の魂の救済を求めて書かれたものだそうだ。

この詩を支えに、マンデラは獄中で27年もの月日を過ごすのである。

相手を「憎む」のではなく、「許す」ということ

f:id:satorism:20180701105030j:plain

弱い者ほど、相手を許すことが出来ない。
許すということは、強さの証なのだ。

マハトマ・ガンディ-

この映画の核心部分は、なんといってもマンデラによる「許し」。

かつて自分を閉じ込めていた白人たちに怒りをぶつけることなく、許すことが出来るマンデラの強さ。
人間にとって、「許す」ことは最大の勇気であるとぼくは思う。

ぼくだったら、自分を27年間も閉じ込めていた人たちを許せるだろうか?

それはとても困難なことだろう。
人種の壁を乗り越えて国を1つにしようとした、マンデラの強い想いにはただただ感服するばかりである。

 

とてもじゃないが、常人にはマネ出来るものではない。

しかし、そんな困難に思えることでも「人間は誰しも、分かり合うことが出来る力がある」という、僅かな希望がある気がしてならない。

もうひとつの主役「ラグビー」というスポーツ

この映画のもうひとつの主役「ラグビー」について。

2015年のワールドカップで日本が打ち破った強豪国が、この映画の主役でもある南アフリカ代表だったりする(笑)
このときはにわかに盛り上がったラグビーだったけど、まだまだマイナーなスポーツであることは否めないよね・・・

なのでちょっと解説。

映画を見るうえで、ルールは分からなくてもOK

f:id:satorism:20180701111507j:plain
決勝戦まではさらっと描写される試合シーンだが、最終戦であるニュージーランド・オールブラックス戦はクライマックスらしくきっちりと描かれている。

ラグビーが持つ、熱さや迫力を感じることが出来る素晴らしい映像だ。

パスを後ろにしか回してはいけないってことくらい分かってれば、ルールは基本的に知らなくてもOKだと思う(たぶん)
もちろん、知っていればもっと楽しめるので、興味をもった人はルールも勉強してみることをオススメする!

みんなもっとラグビー好きになってください。おねがいします(笑)

95年W杯のキーマンといえばこの男

f:id:satorism:20180701112747j:plain
この年のキーマンといえば、最強のラガーマン「ジョナ・ロムー」だ・・・!!

当時ぼくは高校1年。
彼の活躍っぷりは部内でも話題になっていて、名実ともに「最強のラガーマン」であった。

↓本物。

f:id:satorism:20180701113036j:plain
強そう。
いや、実際強い(笑)

ポジションはウィング。積極的に点を取りにいく、トライゲッターだ。

また、彼の所属するニュージーランド・オールブラックスは世界最強のチームでもある。

NZの民族舞踏「ハカ」

f:id:satorism:20180701135835j:plain

オールブラックスは試合前に必ず「ハカ」を踊ることでも有名。

「ハカ」とは、ニュージーランドの原住民であるマオリ族の戦士が、戦いの前に相手を威嚇する舞踏のこと。

もちろん劇中でもしっかり踊っているので、こちらもチェックしてもらいたい。

 

ワールドカップのテーマ曲"World In Union"

youtu.be

ラグビーワールドカップのテーマ曲といえば、この「ワールド・イン・ユニオン」である。
映画でもエンディングテーマとして使われている。

動画は2011年のパフォーマンスのもの。
「アメイジング・グレイス」が日本でもヒットした、ヘイリー・ウェステンラが歌っているぞ!

「ワールド・イン・ユニオン(団結する世界)」の題名にある通り、歌詞は「夢がある。それは信仰や人種を超えて世界が団結し、分かつことのできない一つものになることという尊い真の夢である。この偉大な運命というべき夢の極みにいたるとき新しい時代が始まっているだろう。そのためにあらゆる障害を乗り越え、歴史に居場所を見出し、尊厳をもって生きていかねばならない。その前には勝敗にかかわりなくすべての人が勝利者である。それが世界が一つになるということである」などという内容になっている。

Wikipediaより引用

まさにラグビーの「フェアプレー精神」をイメージした歌になっている。
これを閉会式で歌うってところも、やっぱり「ノーサイド」なのだろうね!

「ワールド・イン・ユニオン」は、聞いてのとおりグスターヴ・ホルストによる組曲「惑星」第4番「木星ー快楽をもたらすもの」に歌詞をつけたもの。
日本だと平原綾香さんの「Jupitar」が有名だね!

さとる的おすすめポイント

マッチョ・デイモン

f:id:satorism:20180701140756j:plain
マット・デイモンの身体がすごいんですよ奥さん!
まさにラガーマンな肉体をしているのには本当にびっくりした。

監督から「鍛えなくてもあとでCGでなんとかする」って言われていたらしいんだけど、彼は撮影開始までにきっちりと体を仕上げてきたそうな。

まさに役者魂!マットならぬ、マッチョ・デイモンなのである。

チームと少年たちとのふれあい

f:id:satorism:20180701142823j:plain
ぼくがこの映画の中でもっとも好きなのがここ。
スプリングボクスが黒人の子どもにラグビーを教えに行くんだけど、最初は乗り気でなかった彼らが少しずつ笑顔になっていくのがとてもいい。

いくつになっても人は変わることが出来るんだよ!

また、ここではラグビーの基本的なことを教えているので、ルールについてはここで覚えればいいかもしれない(笑)

ピナールを称えるマンデラ

f:id:satorism:20180701143808j:plain
優勝カップ授与式にて、ピナールを称えるマンデラ。このシーンも印象的。

f:id:satorism:20180701143919j:plain
95年W杯における、実際のシーンがこれ。

 

この再現度よ・・・!!


優勝カップを手にしたピナールの健闘を称えた裏で、人種の壁を超えてひとつにするという感動的な物語があったことを、映画を通して知ってほしいと思う。

最後に

ぼくは当時妻と一緒に劇場で鑑賞して、涙をこらえるのに必死でした。
(鑑賞後に泣いてるのがバレると笑われるので・・・)

「人間はきっと、分かり合うことができる」。そう思わせてくれる作品。

それにはまず、相手を「許す」ことから始めていかなくてはならないと思う。
わが国日本においても、隣国への侮辱的な発言がネット上に散見されるので、これは非常に残念なことだと感じています。

相手が何か言ってきたからといって、「仕返しだ」などと同じことを繰り返していてはいつまで経っても負の連鎖は終わらない。

仏教の開祖、お釈迦さまもそのような言葉を残している。

実にこの世においては、怨みに報いるに怨みをもってしたならば、ついに怨みの止むことがない。
怨みを捨ててこそ止む。これは永遠の真理である。

中村元訳/「ダンマパダ」(法句経)第1章「ひと組ずつ」より

 

この映画を通して、「相手を許すこと」、そして「変わること」の大切さを知ってもらえればと思います。

ぼくもがんばるぞーー!!

最後に予告編をどうぞ!

youtu.be


今回はこの辺でおしまいっ!楽しんでもらえれば幸いですーーー!

 

(C) 2009 Warner Bros. Entertainment